カナダの子育て費用

子育て世帯の家計管理：主な出費と節約のコツ

子育ては喜びであると同時に、大きな経済的負担も伴います。カナダでは、子どもにかかる費用は地域や保育の種類などによって大きく異なります。平均的に、カナダの親は子ども1人当たり月に1,100カナダドル（約815米ドル）以上、年間で13,300カナダドル（約9,850米ドル）以上を支出しています。この記事では、子どものいる家庭の予算を立てる際に考慮すべき主な費用項目を見ていきます。

食費

栄養は子どもの生活に欠かせません。カナダでは、子どもの年齢や食事の好みによって、月の食費は70〜250カナダドル（約50〜185米ドル）の範囲です。特別な食事やアレルギーがある場合は、さらに費用が増えます。例えば、グルテンフリーやオーガニック食品が必要な場合は追加の出費になります。

乳児の食費も選択によって大きく異なります。母乳育児は一般的に費用が抑えられますが、粉ミルクを使用すると食費が大幅に増加します。

保育

保育サービスは、特に共働き家庭にとって最も大きな出費の一つです。カナダでは、保育費用は州によって異なります。オンタリオ州では月662〜1,934カナダドル（約490〜1,435米ドル）かかりますが、ケベック州では政府の補助金のおかげで月179カナダドル（約135米ドル）程度で済みます。

子どもが小さいほど手がかかり、保育費用も高くなります。例えばトロントでは、乳児の保育費用が1日96.20カナダドル（約70米ドル）と、親にとって最も高額な都市の一つとなっています。

2024年のカナダの州・準州別保育費用（カナダドルと概算の米ドル換算）：

カナダの州・準州	月額保育費用
アルバータ州	830〜1,350カナダドル（約615〜1,000米ドル）
ブリティッシュコロンビア州	800〜1,283カナダドル（約590〜950米ドル）
オンタリオ州	662〜1,934カナダドル（約490〜1,435米ドル）
マニトバ州	451〜651カナダドル（約335〜480米ドル）
ニューブランズウィック州	664〜868カナダドル（約490〜645米ドル）
ニューファンドランド・ラブラドール州	660〜995カナダドル（約490〜740米ドル）
ノバスコシア州	847〜960カナダドル（約630〜710米ドル）
ヌナブト準州	1,213〜1,411カナダドル（約900〜1,045米ドル）
プリンスエドワードアイランド州	586〜738カナダドル（約435〜550米ドル）
サスカチュワン州	615〜1,000カナダドル（約455〜740米ドル）
ノースウエスト準州	760〜1,150カナダドル（約566〜850米ドル）
ケベック州	179カナダドル（約135米ドル）
ユーコン準州	850〜900カナダドル（約630〜670米ドル）

おむつと衣類

子どもの1年目は、おむつと衣類に多くの費用がかかります。カナダでの平均的なおむつ代は年間約500カナダドル（約370米ドル）ですが、使用量によって変わります。

衣類については、赤ちゃんの成長が早いため、多くの親が月に80カナダドル（約60米ドル）程度を新しい服に使っています。ただし、セールで購入したり、中古品を買、着なくなった服を売ったりすることで節約できます。

交通費

カナダの情報機関が警告：中国の影響力がカナダの民主主義を脅かす

カナダは、フランス語を話せる熟練した専門家を引き続き惹きつけています

カナダの食品サプライチェーンの仕組みと知っておくべき重要なこと

ブリティッシュコロンビア州でヘリコプターが墜落し、3人が死亡

カナダ人の乗客が飛行中に飛行機のドアを開けようとしました

交通費は、自家用車を使うか公共交通機関を利用するかによって異なります。カナダの平均的な月額定期券は約100カナダドル（約75米ドル）ですが、具体的な金額は州によって異なります。

多くの州で子どもや10代の若者向けの割引があります。例えばトロントでは12歳未満の子どもは無料で公共交通機関を利用でき、13〜19歳の若者は割引パスを購入できます。モントリオールでは6歳未満は無料、6〜11歳の子どもと10代の若者向けのパスは約56.50カナダドル（約42米ドル）です。バンクーバーでも12歳未満は無料で、10代向けのパスは57カナダドル（約45米ドル）です。

オンタリオ州など一部の州では、学校から一定距離に住む子ども向けにスクールバスが無料の場合があります。また、トロントのFair Pass Transit Discount Programのように、低所得家庭向けの交通費割引プログラムもあります。

地域によっては、子どもが一人でバスに乗る際の年齢制限があります。例えばオンタリオ州、ケベック州、ニューブランズウィック州などでは、公共交通機関を一人で利用できる最低年齢が定められています。

教育費

カナダの公立小中高校は無償ですが、親が考慮すべき追加費用があります。学用品、制服、課外活動や遠足の費用などです。学用品の平均費用は、小学校で年間100〜150カナダドル（約75〜110米ドル）、高校では800〜2,000カナダドル（約595〜1,480米ドル）に達します。

大学や専門学校の高等教育は大きな出費になります。カナダ国民の場合、専門学校の授業料は2学期で平均5,000〜7,000カナダドル（約3,705〜5,200米ドル）ですが、留学生の場合は、プログラムや学校によって年間13,800〜23,700カナダドル（約10,230〜17,570米ドル）になります。

大学の授業料は、カナダ国民の場合、学部課程で年間6,463カナダドル（約4,790米ドル）、大学院課程で7,056カナダドル（約5,230米ドル）です。留学生の場合、学部課程で年間20,000〜30,000カナダドル（約14,825〜22,240米ドル）、大学院課程で17,000〜30,000カナダドル（約12,600〜22,240米ドル）です。これらの費用は、宿泊費、教材費、交通費などに加えてかかります。

その他の費用

主な費用以外にも、子どものいる家庭ではさまざまな追加費用がかかります。例えば、子どもの誕生日を祝うのに、イベントの規模によって50〜600カナダドル（約40〜445米ドル）かかります。課外活動や趣味によっては、子どもが通うクラブや教室の数によって年間1,000カナダドル（約740米ドル）以上予算が増える可能性があります。

子どもの健康維持やスポーツイベントへの参加にも追加の投資が必要です。スポーツクラブ、レッスン、用具の購入、大会参加などにかなりの金額がかかる場合があります。例えば、カナダで人気のあるホッケーでは、トレーニング費用、ユニフォーム、大会参加費などで年間数千ドルかかることがあります。ただし、コミュニティスポーツセンターや子ども向けプログラムなど、無料または低価格のオプションも利用できます。

また、時折子育てサービスが必要な場合は、ベビーシッターの費用も考慮する必要があります。平均して、ベビーシッターサービスは時給約14.54カナダドル（約11米ドル）かかり、年間を通じて費用が大幅に増加する可能性があります。

住宅と家計への影響

家族が大きくなるにつれて、より広い住居が必要になることが多く、必然的に費用が増加します。地域によって異なりますが、大都市では家賃は月1,500〜3,500カナダドル（約1,110〜2,600米ドル）程度です。住宅購入はさらに大きな出費となり、カナダの不動産価格は地域によって異なります。居住スペースを広げると、光熱費やメンテナンス費用も増加することを考慮する必要があります。